リアのディレーラを調整してシフト操作を快適にしましょう

リアのディレーラ(変速機)を調整すると変速の応答性が良くなります
リアのシフト操作に新車の頃の軽快感が無くなってきたらリアディレーラの調整時期です、グータラ親爺は半年に1回程度でリアディレーラの調整をしてますが、慣れてしまえば10分程で調整できるのですな。調整の基本的な方法はシマノのディレーラマニュアルに載ってますが、ちょっとしたコツを知っていると簡単に最適な状態が作れます。必要な工具はプラスのドライバと調整の補助に使うスマフォです、使いやすい場所に工具をおいて、バイクをスタンドに固定したら早速はじめましょう。ちなみに触る箇所はこの6箇所です。④のワイヤーテンション調整ボルトは走行しながらディレーラのワイヤーの張りを調整するのに使いますが、バイクによってはついて無い物もあるので、無い時は無視してください。
1.リミッターの初期位置(リミッター解除)の設定
まずはトップ側/ロー側の両方のリミッターを初期位置に戻して調整の準備をします。これをせずに、今の状態から良いリミッターの位置を探ろうとすると、リミッターの位置調整が行ったり来たりして結局時間が掛かってしまいます。
クランクを回しながらシフターを操作して、フロントをインナーリアをトップの位置にしましょう。次に③ワイヤーテンション調整ボルト(ディレーラ側)と④ワイヤーテンション調整ボルト(ダウンチューブ側)の両方を右一杯に締めこんでテンションワイヤーの張りを緩め、調整ボルトの調整代を初期位置に設定します。その後④ワイヤーテンション調整ボルト(ダウンチューブ側)は左に1回転分だけ緩めておきます。(最後の微調整での調整代を作っておきます)
次に⑥ワイヤー固定ボルトを緩めてワイヤーの固定を解除します。完全にワイヤーを抜いてしまう必要はなく、指で引っ張っぱればワイヤーが動く程度まで固定ボルトを緩めておけば大丈夫です。これで、テンションワイヤーの張りが解除された状態になりました。テンションワイヤーの張りを解除しておかないと、トップ側のリミッタ位置が調整できないので、この作業は忘れてはいけません。
次は、①トップ側 リミッタ位置調整ネジ と②ロー側 リミッタ位置調整ネジを緩めておきます。余り緩めすぎるとネジが抜け落ちるので、この程度まで緩めればよいですね。この状態でトップもローも、リミッタが効いていない初期位置になりました。
2.スマフォを使う調整のための撮影位置決め
リミッターの調整は、ここからリミッターネジを締め込んで、最適なリミッター位置に合わせるだけです。操作としてもそんなに難しい事ではないのですが、プロの様なちゃんとした調整台を持っていないとちょっと難しくなります。何が難しいかというと、シマノのマニュアルに書いてあるように、トップギアの歯の外側の位置にガイドプーリーが来るようにしたいのだけど、そのためにはガイドプーリーの真後ろから位置を確認する、というのがなかなかうまくできないからです。
バイクの高さを自由に変えられる調整代があればガイドプーリを真後ろから見るのは簡単なのですが、グータラ親爺はそんな良い物持ってません。で、ここでスマフォの出番です。スマフォのカメラをスプロケットのま後ろに持っていって、写真を取れば、簡単にガイドプーリーの位置が確認できます。
この時に、スマフォのカメラが正しくガイドプーリの真後ろに来ているかどうかは、一緒に映り込んでいるチェーンのラインを使って確認できます。写真の青い線で示してあるように、チェーンが真っすぐに奥に見えるような位置にスマフォを持っていけばガイドプーリーを真後ろから見ている事になるので、このスマフォの撮影位置を覚えておきましょう。
3.トップ側のリミッターの位置調整
現状では、トップ側のリミッターが解除されている状態なので、⑦のようにガイドプーリー(黄色い線)は赤い線のトップギアの位置よりもさらに外側の位置に来ています。この状態から①トップ側 リミッタ位置調整ネジを締めこんでいって、シマノのディレーラマニュアルにあるようにガイドプーリの位置がトップギアの外側の真下にくるまで(⑧)調整ネジを締めこめば、トップ側のリミッター調整は終了ですね。
リミッタ調整ネジを締めこんでいくと、途中からリミッターが効き始めて調整ネジを締めるのが少し硬くなります。そのまま①トップ側 リミッタ位置調整ネジを締めこんでいくと、少しずつガイドプーリーがロー側に動いていきます。ガイドプーリがトップギアの真下までくれば、トップ側のリミッターの調整は完了です。この調整の間クランクは回しません。
4.ロー側のリミッターの位置調整の前準備
次にロー側のリミッターの位置調整の前準備のために、ワイヤーを張ってテンション高めに掛けます。ワイヤーを指で摘まんで軽く引っ張りながら、⑥ワイヤー固定ボルトを締め付けてワイヤーを固定します。次に、リアのシフトレバーはトップのままにしておき、クランクを回しながら③ワイヤーテンション調整ボルト(ディレーラ側)を左に回していきます。ボルトを左に回していくとワイヤーが張っていき、シフターは操作していないのにリアのギアが1段上に上がります。
この状態でワイヤーは通常よりも強く張った状態です。このままの状態でシフターを操作してリアのギアをローまで上げます。そうすると、シフターはローの1つ手前でまだもう一段ワイヤーのテンションを上げる余裕が残っていて、実際にチェーンはローギアに入っている状態になります。 これでロー側のリミッタの位置調整の前準備ができました。ここからは、クランクは回しません。リミッターが効いていない状態なので、クランクを回すとチェーンがローギアのさらに内側に落ちてしまいます。
5.ロー側のリミッターの位置調整
前準備でチェーンがローギアに入った状態を作ったので、そのままクランクは回さないでシフターをロー側に押し込みむと、リミッターが効いていないガイドプーリーはトップギアの位置を超えてさらに内側まで動きます。(⑨)
この状態でクランクを回すとチェーンが内側に落ちてしまうので、そこまでガイドプーリーが動かないように②ロー側 リミッタ位置調整ネジを締め込んでいきリミッターを利かせます。リミッター調整ネジを締め込む位置は、シマノのディレーラマニュアルにあるように、ロー側ギアの真下にガイドプーリーが来る位置までですね。(⑩)
②ロー側 リミッタ位置調整ネジを締め込む時は、シフターをロー側に押したままではネジが硬くて締め難いので、シフターを押すのを止めるか1段高いギアに移す操作をしてからネジを締めて、改めてシフターをロー側に押し込んでガイドプーリーの位置を確認します。この作業を、ガイドプーリの位置が正しい位置にくるまで繰り返せば、ロー側リミッタの位置調整は終了です。
6.ワイヤーテンションの調整
トップ側/ロー側のリミッターの位置調整が終われば、後は割と簡単です。ロー側リミッターの位置調整のために左に回していた③ワイヤーテンション調整ボルト(ディレーラ側)を、右に回し切って最初の状態に戻します。
この状態でクランクを回しながらシフターを1段上げてチェーンをトップから1つロー側に上げます。この時にチェーンが上がらなければ、⑥ワイヤー固定ボルトを左に回してチェーンが上がるまでワイヤーのテンションを上げます。
次にクランクを回しながらシフターをもう1段上げる方向に押し込みますが、この時にシフターがカチッとなって次の段に変速する少し手前の状態でシフターを維持しておきます。その状態でクランクを回しながら、⑥ワイヤー固定ボルトを左に回してさらにワイヤーテンションを上げていくと、チェーンがギアに押し付けられてチャリチャリと音がするけどギアは上がらない状態になります。この状態まで⑥ワイヤー固定ボルトを回せば、ワイヤーテンションの調整は終わりです
7.テンションプーリーのテンション調整
最後に、テンションプーリーとガイドプーリーがついている腕の角度を調整する⑤テンション調整ネジの調整です。調整ネジを緩めると腕は前方に、ネジを締めると腕は後方に動きます。
この⑤テンション調整ネジの調整はそれほどシビアな物ではなく、リアをトップギアに入れた状態でトップギアの先端とガイドプーリーの先端との間に、チェーンが余裕を持って通過できる程度の隙間ができるように、る⑤テンション調整ネジを調整します。
8.走行しながらの微調整
ここまででで調整スタンドを使ってのリアディレーラの調整は終了ですね。後は実際にバイクを走らせながらシフターを操作して、リアの変速を上げたり下げたりしながら最終の微調整をします。
ギアをロー側に上げる時の応答性が悪いなら、④ワイヤーテンション調整ボルト(ダウンチューブ側)を左に回して少しワイヤーテンションを上げます。逆にギアーをトップ側に落とす時の応答性が悪いなら、④ワイヤーテンション調整ボルト(ダウンチューブ側)を右に回してワイヤーテンションを少し下げます。
ギアを上げる時と下げる時の両方で、応答性が最適になるよう、④ワイヤーテンション調整ボルト(ダウンチューブ側)で微調整をすればリアディレーラーの調整は完了です。
時々はリアーディレーラーの調整そをして、快適なライドを楽しみましょう。
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