クロモリフレームのオイルコーティング

2021年7月16日ロードバイク

クロモリは10年に1度はオイルコーティングしましょう

ロードバイク初号機の ANCHOR RNC7 はクロモリフレームです。買ってからそろそろ10年になるので、フレーム内部のオイルコーティングをもう一度やっておきましょう。オイルコーディングはクロモリフレームに固有のメンテナンスなので、アルミやカーボンフレームの人は無視してくださいね。

オイルコーティングは錆びを防ぐためです

なぜクロモリだけオイルコーティングをやるかというと、クロモリは錆びるからです。クロモリとはクロムモリブデン鋼の略称で鉄にクロムとモリブデンを混ぜて作った合金です。で、鉄なので当然のように錆びます

表面は塗装されてるので大丈夫なのですが、フレームの内側は未塗装なので、ほっとくと錆がでます。そこで、錆止めのためにフレームの内部をオイルコーティングして錆を防ぐわけですな。

オイルコーティングは難しくないです

オイルでコーティングするといっても別に難しい事はなく、オイルをダバーっとフレームの中に流しこんで、
フレームをぐるぐる回してフレームパイプの内側全体にオイルを行き渡らせた後に、流し込んだオイルを抜いて乾かすだけです。作業そのものは特に技術や慣れも要らない簡単な作業なのですが、、、手が油まみれになるので作業中にどこかに手で触れないように注意しましょう。

オイルコーティングに必要な物を集めます

まずはオイルコーティングに必要な材料と工具を準備しましょう、と言っても大した物は要りません。絶対必要なのはオイルですが、錆止めなので別にどんなオイルでも構わないのです。あまり粘度が高いと作業性が悪いですし、粘度が低くてサラサラだと早めに乾いて防錆効果の持ちが悪いので、適度な粘度のオイルを使うのがいいですね。今回は、ホームセンターに行って棚にいくつか並んでいたオイルのうち、ちょうど良さそうな粘度のタービンオイルを買ってきました。

他に使う工具というか道具類は、ビニールテープと小さな風船と抜いた油を受けるプラスチックのバケットです。どれも 100均で売ってますね。あとは、床に油がこぼれてもいいように床に敷く古新聞かブルーシートがあれば良いですね。

オイルコーティングの前準備

オイルコーティングではフレームの中にオイルを満たすので、フレームから全ての部品を取り外しておいたほうが作業はやり易いです。フロントフォーク、前後ディレーラ、前後ブレーキ、クランクとBBを外せばフレーム単体になります。ブレーキとディレーラは取り外さなくてもオイルコーティングの作業はできますが、折角の機会なので外して清掃と給油をしておくのが良いですね。

フレーム単体になったら、フレームに開いてる小さな水抜き穴を探してビニールテープを貼って穴を塞いでおきます、そうして置かないとオイルを流し込んだ時に穴からオイルが漏れてしまいます。ANCHOR RNC7 はリアのブレーキケーブルがトップチューブ内を通ってます。ブレーキのインナーケーブルとアウターケーブルの両方をトップチューブから抜いてしまうと、新たに通すのが大変なのでインナーケーブルは残した状態で、ブレーキケーブルを通すための穴もビニールテープで塞いでおきます。

コーティングするのはフレームのどの部分

ロードバイクのフレームはトップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、ヘッドチューブ、シートステー、チェーンステーでできています。


これらのチューブに1本ずつ順番にオイルを流し込み、チューブの内側全体に行き渡らせて、オイルを抜くというコーティング作業をしていきます。ANCHOR RNC7 のフレームではシートステーは油を流し込める穴が無いので、それ以外の部分をコーティングします。

まずはシートチューブからやっていきます

まずは一番やり易いシートチューブから始めましょう。シートポスト側からオイルをダバ~と流し込むと、、、BB側からだら~と流れ出してしまってコーティングできませんね。。。

なので、まずはBB側の穴を塞ぎます。ここで役に立つのが 100均で買ってきた小さな風船です。風船をBBハンガーの中に入れた状態で息を吹き込み風船を膨らませると、BBハンガーの内部に風船がピタッと張り付いてBBハンガーの中のシートチューブの穴を塞いでくれます。

この状態でシートポスト側からオイルをダバ~と流し込み、半分くらい溜まったらシートポストの所にウエスを押し込んで栓をします。栓をしたら、フレームを手で持ってクルクルといろんな方向にゆっくり回転させて、チューブの内面全体にオイルを行き渡らせませす。

後は、栓をしていたウエスを取り去って残ったオイルをバケットに流し出しましょう。バケットに溜まったオイルは次の箇所のコーティングに使いまわします。

シートチューブの次はダウンチューブです

BBハンガーの中の風船はそのままにしておき、今度はダウンチューブを立てた状態で保持して、ヘッドチューブ内にあるダウンチューブの穴からオイルを流し込んでいきます。その後のやり方はシートチューと同じですね。

トップチューブもコーティングしましょう

BBハンガーに入れていた風船の空気を抜いて取り出し、今度はヘッドチューブで風船を膨らませてトップチューブにつながる穴を塞ぎます。トップチューブを立てた状態で保持してシートポスト側のトップチューブの穴からオイルを流し込んで、同じようにコーティングしていきます。

最後はチェーンステーです

チェーンステーはリアディレーラー側には穴は無いのでBBハンガー側に開いた穴からオイルを流し込んでコーティングします。

最後に余分なオイルを抜き取りましょう

すべてのチューブにオイルを行き渡らせたら、最後は余分なオイルの抜き取りです。とはいっても単にそれぞれのチューブを立てた状態で半日ほど放置するだけです。

使ったオイルがある程度の粘度があるので、コーティングの直後はチューブの内面にわりと厚くオイルが付着しています。そのままだオイルが垂れてくるので、それぞれのチューブが垂直になるようにフレームを保持して半日ほど置いておくと、余分なオイルが流れ落ちてちょうど良い感じにチューブの内部に薄いオイルの膜が残ります。トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、チェーンステーのそれぞれで半日かけてオイルを抜きけばオイルコーティングが完了です。

トップチューブを垂直にして半日

シートチューブを垂直にして半日

クロモリフレームは丁寧にメンテナンスする長く使えます

クロモリは何と言っても鉄なので、錆さえしっかり防いであげれば、アルミやカーボンよりも扱いが簡単で(少々ラフに扱っても平気で修理もし易い)長く使えます。錆を防止するオイルコーティングは10年に1回程度はやっておきたいですね。